「社会人野球選手も働く会社」~デュアルキャリアを叶える土木現場のリアル~

豊開発株式会社

社名豊開発株式会社
業種建設業
設立年月日1990年2月2日
資本金3,000万円
社員数21名
本社所在地大阪府大阪市中央区上汐2-5-29
ホームページhttps://www.yutaka-kaihatsu.co.jp/

若者の採用や新卒採用を成功させるための取組

弊社では企業の魅力を広く発信するため、Instagram、note、X(旧Twitter)などのSNSに加え、社内プロジェクト「あそ部」のホームページなど複数の媒体を活用しています。
これらの情報発信を通じて企業文化や働く環境を、多角的かつ親しみやすい形でご紹介しています。

採用情報についてはキャリアマップの専用ページを活用しており、Googleフォームを通じてエントリーいただける仕組みも整備しています。
学生の皆様との接点を増やすことを目的に「あそびを大切にする」という弊社の価値観を軸に、「あそびとは何か?」を考えるきっかけとなるようなキーワードを意識した情報発信を行っています。

これまで多くのSNS投稿を行ってきましたが、特に反響が大きかったのは、あそ部メンバーの蜜浦がnoteにて公開した、豊開発代表・清水へのインタビュー記事です。
多くの方々に弊社の理念や代表の想いをご覧いただく、絶好の機会となりました。
また、現場見学の様子を紹介した記事も高い閲覧数を記録しており、実際の働く姿を知りたいというニーズに応えられていたように感じています。

そのほかにも、現場・会社見学会や模型を用いた仕事体験、座談会の実施など、学生の皆様に弊社をより身近に感じていただけるような取組を継続的に行っています。
これらの活動を通じて、弊社の価値観や職場環境への理解を深めていただけるよう努めております。

取組の背景と変化

澤氏:弊社は創業から35周年を迎えましたが、「あそ部」という新しい取組が始まったのは今から3年前のことです。
50年、100年先を見据えたとき、企業として継続していくためには新しい事業の創出や社内体制の改善など、何かしらの工夫が必要です。そうした未来志向の中で生まれたのが「あそ部」です。

「あそ部」のメンバーには、自ら動く力を持った人が多く在籍しています。新しいことを始めるには労力がかかりますし、時には「言い出しっぺがやる!」という空気が生まれがちですが、「あそ部」ではそのような負担感を感じさせない文化があります。「こんなことあるけど、どう思う?」という軽やかな問いかけから始まり、「じゃあ、やってみようか」と自然に手が挙がる。

豊開発株式会社の若手社員の蜜浦氏(左)と右田氏(右)右田氏は野球選手としてのキャリアも両立させる2025年度の新入社員

たとえば、万博のバーチャルパビリオンへの出展も必須ではなかったにもかかわらず、メンバーが積極的に動いてくれたことで実現しました。
その姿勢に周囲が共鳴し、チームとして取り組む流れが生まれ、社内に新しい風を吹き込み、未来に向けた一歩を踏み出すための原動力となっています。

また、「あそ部」ではSNS担当者が毎日SNSを更新してくれています。SNS担当者自身が「SNSを育てる」という感覚で楽しみながら取り組んでくれているのは非常に大きな強みです。
他部署や他の社員の業務状況への配慮、社内のコミュニケーションを意識しながら投稿を行っていることもコンスタントに投稿できている秘訣の一つかもしれません。

「バーチャル大阪ヘルスケアパビリオン」への出展証

たとえば、インターンシップの実施風景を投稿する際には他部署との情報共有や内容確認など、社内でのコミュニケーションを欠かさず行っており、自然と協力体制が築かれ部署を越えた連携が生まれています。社内の協力がなければ現場の撮影や投稿内容の確認も難しいため、日頃から連携を大切にしています。

若者採用や新卒採用を成功させるための取組における成功談はありますか?

「あそ部」としての活動を通じて、社外の方々との接点が着実に増えてきました。
情報発信を続ける中で、取組に興味を持ってくださる方が現れ、弊社にお越しいただける企業もいらっしゃいました。
私たちとしても、他社と情報共有しながら互いの取組を知る良い機会だと捉え大切にしています。
社外の方々が私たちの活動を理解し、関心を持ってくださることは大きな励みになっています。

取組を進めているときに困ったこと等、失敗談はありますか?

当初の社内における「あそ部」への理解は十分とは言えない状況でした。
部署名の印象や活動内容の見えづらさから、「何をしている部署なのか分からない」といった声もあったといいます。情報発信はしていたつもりでしたが、興味のない人には理解を得るどころか、活動自体が届いていなかったこともありました。

実は、社内での協力体制が徐々に強まってきたのは今年(2025年)に入ってからなんです。社内理解を深めるため影響力のある社員を個別に“狙い撃ち”する形でコミュニケーションを取るようにした結果、日常の挨拶に一言二言加わるような関係性が生まれ、インターンシップや新入社員研修など他部署との連携にも好影響を与えています。
各部署が自発的に協力してくださる場面も増え、「あそ部」の活動への理解が深まっているように感じています。


採用担当者の声

採用担当として常に意識しているのは、入社前と入社後のギャップをどれだけ少なくできるかということです。
説明会やインターンシップなどの機会では、業務の魅力だけでなく現場での大変さや課題など、いわゆる“マイナス面”もきちんと伝えるようにしています。
やはり「良いことばかり」言ってしまうと入社後に「こんなはずじゃなかった」と感じさせてしまう可能性があります。
だからこそ「誠実に・正直に」現場のリアルを伝えることも大切だと思っています。現在は合同企業説明会などの求職者と会える場を増やしており、まずは会社説明会で説明し、現場を体験いただくことで、より現実とイメージのギャップを縮めることができていると感じています。

企業研究や業界研究の一環としてでも構いません。まずは「遊びに来る」感覚で気軽に訪れていただければと思います。まだ建設業界のことを知らない方やイメージがあまり良くない方にも、少しでも弊社や建設業界の魅力がお伝えできるように楽しみながら取り組んでいきたいと考えています。

採用担当者の澤氏

若者の声

私にとって弊社の最大の魅力は、働きやすさです。スポーツ競技と両立しながら正社員として働ける環境が整っていることが何より魅力的だと感じています。
転職活動ではスポーツ競技との両立に理解のある企業を見つけることが難しい状況の中、弊社と出会えたことは私にとって非常にありがたいご縁だったと感じています。

私は「瀬戸内ブルーシャインズ」という岡山県にある女子硬式野球のクラブチームで競技を続けながら、弊社で企画・広報・社内施策などを中心に担当し、現場の安全パトロールにも携わっています。
前職では異なる業界に従事しており、この業界や会社のことを何も知らない状態だったため、入社時は専門的な内容に戸惑うことも多くありましたが、日々の業務を通じ興味が自然と深まり続けている感覚があり毎日が新しい発見の連続です。

2024年入社の蜜浦氏

入社当初は兵庫県のチームに所属していて通勤可能な距離だったため毎日出社していましたが、1年ほど経った頃に岡山県のチームへ移籍が決まり通勤が困難になったため退職も視野に入れていました。
しかし、1年間勤務する中で「辞めたくない」という気持ちが強まっており、代表に相談したところ月2回・各3日間の出社を条件にテレワークという選択肢をご提案いただきました。
毎日オンラインで繋がりながら画面越しにコミュニケーションを取り、早急な社内対応が必要な業務は都度お願いするなど周囲の方々に支えていただきながら業務を進めています。

柔軟な働き方に加え、「あそ部」のメンバーや各部署の皆様との支え合いの中で働く楽しさを感じながら、今もスポーツ競技を続けることができています。

豊開発株式会社のこれから

「あそ部」メンバーが中心となって進めたリノベーションにより新しくなった豊開発株式会社オフィス3階

弊社では社員一人ひとりが安心して業務に取り組める環境づくりを目的として、オフィスのリノベーションをはじめとする職場環境の継続的な検討や改善に取り組んでいます。
加えて福利厚生制度の充実を図るべく新たな支援施策の導入も検討・実施しています。

具体的には書籍購入支援制度や健康維持に関する取組、資格取得支援制度など「あそ部」のメンバーが中心となって制度化を進めてきました。また、勤務間インターバル制度を導入するなど、働き方の見直しにも積極的に取り組んでいます。
こうした制度は長期的な健康管理と業務パフォーマンスの向上を両立させるための重要な施策であり、社員の定着率向上にも寄与しています。
今後も社員の声を丁寧に拾い上げながら、柔軟かつ持続可能な制度設計を進めてまいります。